The Victorian Nude



「ヴィクトリアン・ヌード―19世紀英国のモラルと芸術」を観てまいりました。会場は上野にございます、東京藝術大学大学美術館 。始めて訪れましたがたいへん立派な美術館です。学費はお安いですのに、とても恵まれた環境。やはり国立大学はよろしいですね。

私が通っておりました学校は、学費がお高くて有名な学校でした。先生方はそれは素晴らしい方ばかりでしたが、施設は驚くほど貧弱。ホールは無し、図書館は小さな一部屋、レッスン室はいつも不足して奪い合い。アップライトしか入っていないベニヤ張りのレッスン室もあり、隣り合った部屋に入って、ドアを閉めてコンチェルトの合わせの練習ができたほど。…あ、話がずれてしまいました。

ヴィクトリアン・ヌード。知人のお話通りの「それは美しい、夢のような倒錯の世界」が広がっておりました。時代と共に理想とされる体型は移り変わってまいります。でも、いつの世も変わらず人々の憧れとなるのは美しい肌。大理石のように滑らかなプシュケの肌。海に墜ちてしまったイカロスの鞣し革のような肌。触れた時の感触が、指の先に感じられるようでした。人が身に纏う事のできる一番美しいもの、それは人の肌なのですね。

もち肌の貴方。宝物ですよ。お肌は大切に。