願い事



知人から教えていただいたヨーロッパの小咄です。

無人島に流れ着いたイギリス人、フランス人、オランダ人の3人の男性が、仲良く暮らしておりました。ある日のことです。海岸でランプを拾い、試しにこすってみると、なんと中からランプの精が出てきて「何でも一つだけ願いを叶えてあげよう」と言うではありませんか。そこでまず、イギリス人が「祖国には愛する妻と、ガーデニングを愉しむ大切な庭が待っている。どうか私を国へ帰して欲しい」と願いを唱えました。ランプの精はその願いを叶えイギリス人は祖国へと帰る事ができました。続いてフランス人。「祖国には愛する妻と、さらに愛する愛人がいる。どうか私を国へ帰して欲しい」とやはり国へ帰っていきました。さて、最後に残ったのはオランダ人。「私は祖国で待つ者はないし、国へ帰っても何も良いことがない。私の願いは・・・さっきの二人をまたここへ戻して欲しい」。ランプの精はオランダ人の願いを叶え、イギリス人とフランス人はまた無人島へと戻ってきたのでした。

このような小咄、笑い話では、オランダ人が困った人として描かれる事が多いのだそうですね。もしかしたらオランダ人というのはヨーロッパの中では、ちょっと嫌われ者なのでしょうか。