愛するということ、愛されるということ。

「私はとても愛されて育ってきたので、人を愛することができる」。このような話をよく聞くのですが、そのたびに思うことがあります。

両親に愛され、家族に愛され、友人に愛され、恋人に愛され・・・。確かに、たくさんの愛を受けてきた人が、自らも多くの愛を他に与えることができる、という事はあるでしょう。

でも、自身が恵まれた環境に育たず、愛情をたくさん受けることが出来なかったからといって、人を愛することができない、という事はまったくないと思うのです。逆に、溢れんばかりの愛を受けて育った人が、きちんと人を愛することができるかといえば、必ずしもそのような事はありません。

辛い環境を生きてきても、素敵で魅力的な人がたくさんいるように「愛されなかったから、人を愛することができない」「これがいけなかったから、私はこんな人間になってしまったのだ」という考え方は、間違っているように思うのです。

今ある自分の姿というのは、色々な形で周囲の環境の影響を受けたとはいえ、自分が形作ってきたもの、今も自分で作り続けているもの、なのですから。