2003-02-14 月の光 あなたの魂は選り抜きの風景のようだ 魅惑的な身ごなしでリュートを弾き 踊りながらそこを過ぎるとりどりの仮面やベルガモの衣裳 幻想的な仮装のしたで、そこはかとなく悲しげな 恋の勝利やめぐまれた人生を 短調で歌われながらも おのれの幸福を信じている様子もないその歌は 月の光に溶けてゆく... 梢の鳥たちを夢見させ 大理石の像の間の、ほっそりとした噴水を うっとりとすすり泣かせる 悲しげで美しい、あの静かな月の光に ヴェルレーヌ