男の子の目線



現代玩具博物館のHさんからお送りいただいた冊子、『日本のおもちゃ、ドイツのおもちゃ(aquioさんの講演記録)』の中に、このようなお話が。

……遊ぶときの子供の目線というのは、男の子と女の子の目線の違いというのがありまして、女の子の目線というのは非常に高いです。男の子の目線は低いです。それはどういうことかというと、分かりやすくいいますと、例えば男の子に車のおもちゃを渡すと畳にほっぺたをすりつけるようにして遊びます。その車の中に自分が乗り込んでいるわけです。その車の中で自分が運転している。
……女の子の遊びというのはどうもそこがそうではなくて、非常に目線が高くて、割と頭の中で空想を巡らすのですけれども、非常に具体的というところが女の子にはあるみたいです。例えばままごとなんかします。そうすると、昨日のお父さんとお母さんの会話みたいなものが丸っきりそのままごとに出てくる。「お帰りなさい。今日は遅かったのね」とかそういう話が出てくる。それもちゃんと正座したり、座ったりしてやっている。目線が非常に高いわけです。それがどこからくのかというのはまだよく分からないのですけれども、そういう遊びの違いがあります。……

孫が遊んでいる姿を見まして、まさに、と。確かに、娘がままごとをして遊ぶ時には座ったり立ったりごく普通の動き。乗り物のおもちゃを与えましても、このように床に頬をすりつけるようにして遊ぶ姿は見たことがございません。電車のおもちゃで遊ぶ孫の見事なまでの男の子目線。このお話を思い出し、なんだか嬉しくなってしまいました。