Cartier



書き忘れておりました、ミラノでの楽しかった買い物体験。
お土産の品として買い求めたいものがあり、カルティエへ。最初は娘と孫と三人で訪れる予定だったのですが、言葉の問題もございますので急遽ピアニスト1のご主人が同行してくださることに。その数日前、普段着でモンテ・ナポレオーネ通りにございますカルティエのショップへ入ろうとしたものの、あまりに威圧感のある店構えに怖気づき、結局入れずじまいですごすごと帰ってきた、という反省を踏まえ、この日は気合を入れて身支度を整え、いざ出発。タクシーを降り、お店の前に立ちますと、入り口には鍵が。ベルを押しますと、中から係員が開けてくれるシステム。そういえばミラノでは、少し高価な品揃えのお店では、営業中でも出入り口にしっかりと鍵がかけているお店が多かったです。日本では、例えば宝石店に強盗が入った場合、当然盗みに入った人間が悪い、と考えますが、なんでもイタリアでは、入られたお店が一番悪い、となるのだとか。
さて、店内に足を踏み入れ、これこれこのようなものが欲しいのですが、と伝えますと、「はい、わかりました。ではこちらにおかけください」、とスウェード張りの机の前の椅子に案内されます。床に目をやると、おお、絨毯もカルティエ柄。店内にもいくつか商品は展示されているのでが、ほとんどの品は棚の中や、お店の奥に収納されているようでして、希望の品を伝えますと、それに近いと思われる品をいくつか見繕い、トレイに載せて運んできてくれるのです。
机の上に品物が並べられ、白い布手袋をした店員さんが丁寧に一つ一つの商品の説明を。そして、本人が使うものでしたら、「あなたの雰囲気には、私はこれが一番合っていると思います」。プレゼント用の品ですと、贈る相手の年齢やタイプを訊き、「それでしたら、これが絶対にお勧めです」、というように、店員さんが自信を持ってアドバイスを。日本でよくございます、たとえ似合っていなくても、「わあ、とってもお似合いですよー。私も同じものを色違いで全色買っちゃったんですよー」、などという、まあ言ってみれば無責任な接客とはまったく違います。
時間をかけてじっくりと選び、「では、こちらを」、と決定。目の前で、丁寧に箱に詰められ、美しくラッピングされ、立派な袋に入れられ、手渡されまして完了。話には聞いておりましたが、高級店でのお買い物というのはなるほどこのようなものなのね、とこれもまた楽しい思い出となりました。