エコー・CT・レントゲン




暫くいたしまして、当直医が血液検査の結果を手にまいりまして、「痛みますか?これは痛いはずですね。血液検査の結果、膵臓が炎症をしていることを示す数値がものすごーく高いんですよ。」と。「ちょっとエコーの検査をしますね。」とお腹にゼリーを塗られ超音波検査。
次いで「これからすぐに、CT(コンピュータ断層撮影/Computed Tomography)の検査を受けていただきますからね。」と。造影剤を使用するとのことで、それについての問診を受け、承諾書にサインを。何やら物々しい雰囲気になってまいりました。「はい、では車椅子で移動しますね」と、生まれて初めて車椅子に乗せられ、検査室へ。
CTってどういう検査なのかしら、と思いましたら、検査室にどんと置かれておりましたのは、巨大ホワイトチョコレートがけドーナツのような装置。検査技師のお兄ちゃまに承諾書を手渡し、ドーナツの中心部分にある台に横たわり、検査開始。まずは、造影剤を打たずにそのままドーナツの中にすーっと入ってまいりまして、「息を吸って…吐いて…そのまま息を止めてください。………楽にしてください。」との音声に従って数枚撮影。
この時不思議に思いましたのが、巨大ドーナツのちょうど目の前の部分に、小さな長方形の小窓があり、中で赤いライトがちらちら動いていて、気になってつい見てしまうのですが、この小窓の上には、「窓の中を絶対に覗き込まないでください。」とシールが貼られているのです。決して覗いてはいけない小窓が、何故ちょうど目の前に開けられているのか。なんですかまるで、禁断の果実のよう。
次いで、付き添っている当直医が造影剤注入の為の針を右腕に刺し、ついでに検査の為に大量に血液を採り、まるでロケット発射台のような台にセットされた造影剤の大きな注射器がその針に繋げられ、準備完了。検査技師に、「造影剤を打つのは初めてなのですが、何か体に変化はあるものなのでしょうか?」と訊くと、「全身が燃えるように熱く感じるのだそうです。私も実際には打ったことがないのいでわからないのですが、皆さんそうおっしゃいます」、と。えーん、怖いです。ぼわっと体が燃えるように熱くなる。脳裏に浮かんだのは、超人ハルクが変身するシーン。怖がっている間にも容赦なく、検査は進み、「はーい、では造影剤が入りますよー」との技師の声が。どきどき。あ、ほわーっと温もりに包まれるような心地よい暖かさが。なーんだ、これでしたらぜんぜん問題ありません。二度に分けての撮影が終了し、検査室に戻ってきた技師に、「ご気分悪くないですか?大丈夫でしたか?」と訊かれ「はい、とても心地よい暖かさでした。ぜひ一度試してみてください」と。
医師からは、「やっぱり膵臓がすごく腫れています。これは緊急入院をしていただくことになりますね」との話が。え、緊急入院?続いて、腹部と胸部のレントゲン撮影もいたしまして、ようやくまた急患の部屋へ。