マナー



手が滑りそうで怖く、つい持ち手、取っ手に指をからめてしまいがちなカップ。本来は人差し指、中指、そして親指の三本でつまむように持つのがマナーに適っており、仕草としても美しいとのお話を伺いました。確かに。鏡に映してみますと一目瞭然。人差し指を持手にからめない方が、圧倒的に手が美しく見えます。
このお話をネットでも調べておりまして見つけたページ、「作法心得」。内容から、ずいぶん前に書かれたものかと思いましたら、1981刊と比較的新しい「心得」のよう。なるほど、というお話も多いのですが、不思議に感じるようなマナーもあれこれ。全てに目を通したわけではございませんが、ここまでで一番驚きましたのがこちら。

第7章 飲食・喫煙 ◆第17節 スプーン、ナイフ、フォーク 【型13】音を出したとき
ナイフを使ううち、うっかり、キーッといった音をたててしまったときは、言葉で「失礼」といったことを申されず、手に持ったシルバーを、すべて皿にかけ、両手を食卓に置き、軽く頭を下げ黙礼の形をとられよ。ただし、あまり長く黙礼していると礼拝に見えるから、黙礼の時間は1秒半程度とされよ。黙礼が済んだならば、また食べはじめられよ。このほうがまわりの空気を固くしない。

きゃあ。同じテーブルについている男性がもしも…、と光景を思い浮かべるだけでも楽しいですこと。「作法心得」を読んでおりませんでしたら、おそらく突然の行為にびっくりして(ちょ…っと、あぶない人なのかもしれないわ、と思って)しまったでしょうが、もう大丈夫。キーッとなってしまったら、ぜひ黙礼を1秒半。(一般的な場では「失礼」で済まされた方がよろしいかと。)